北米時間2012年9月11日に開幕した「Intel Developer Forum 2012 San Francisco」(以下,IDF 2012)でIntelは,各種技術デモの展示コーナー「Advanced Technology Zone」において,次世代CPU「Haswell」(ハスウェルもしくはハズウェル,開発コードネーム)こと第4世代Coreプロセッサの統合型グラフィックス機能を,従来世代のそれと比較してみせていた。 とりあえず,何も言わず,下のムービーをチェックしてほしい。 ムービーは,「」(以下,Skyrim)のバニラで,Haswell搭載機と,「Intel HD Graphics 4000」統合の第3世代Coreプロセッサ(を採用するASUSTeK Computer製ノートPC)とを,ほぼ同時にプレイしてもらっているところだ。かなりカクついている比較対象と比べて,Haswellは相当に滑らかなのが分かる。 デモ機の様子。写真だと分かりにくいかもしれないが,グラフィックス設定が異なることは実機で比較すれば簡単に理解できた しかも重要なのは,この2台でグラフィックス設定が異なっていることで,比較対象機では「Normal」プリセットの1366×768ドットなのに対し,Haswellでは「High」プリセットで1600×900ドットになっているというのだ。 いわゆるapple-to-appleの比較になっておらず,かつ,平均フレームレートの情報も開示されていないのは,Haswellのグラフィックス性能を容易に推測されないようにするためだと思われるが,「とにかくIntel HD Graphics 4000比で相当に速い」ことだけは間違いない。 なお,Sandy Bridge&Ivy Bridgeコアから引き続き,製品ラインナップを柔軟に展開できるモジュラー型のデザインを採用するHaswellでは,グラフィックス機能モジュールが「GT1」「GT2」「GT3」の3種類になると,IDF 2012では明らかになっている。そして,デモプレイを披露してくれたIntelのスタッフによると,今回のデモ機で動いているのは,3種類のなかでも最も性能の高いGT3を統合するノートPC向けモデルだそうだ。 Haswellのモジュラー構成(左)と,GT1&GT2とGT3の違い(右),ドラゴンクエスト10 RMT。詳細は追ってお伝えする ワイヤレスディスプレイの最新仕様もデモ ちなみにAdvanced Technology Zoneでは,Intel独自のワイヤレスHDMIディスプレイ仕様「WiDi」(Intel Wireless Display)を用い,「Portal 2」をディスプレイにワイヤレス表示してゲームプレイするというデモが行われていたので,こちらも以下にムービーでお届けしよう。 Intelは,バージョン3.5で,FF11 RMT,バージョン1の時代から遅延が10分の1に縮まったとアピールしている IEEE 802.11nで画面イメージを転送するWiDiは,バージョン1だと表示遅延が650msもあったのだが,バージョン2では200msとなり,今回デモ展示されたバージョン3.5では60msにまで改善されたとのこと。ゲーム側のフレームレートを60fpsだとしたときに約3.6フレームの遅れとなり,実際のムービーを見てもそんな感じだ。アクションゲームを全力でプレイする前提だとまだかなり厳しいが,少なくとも初期の「ゲームだと遅延がひどくてどうしようもない」印象からは相当に改善されたように思う。 将来的には,遅延が致命的な問題になるゲーム以外は画面をワイヤレス伝送できるようになるかもしれず,今後に期待したいところだ。
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